前回の3兄弟予測の修正ではなく、今週の材料だけで9通貨ペアを一から再構築。中銀政策・資金フロー・AI波及・クロスレート分解まで一貫させた。
答え: 「ドル高だから円安」ではなく、「ドルはむしろ全面安、円だけがそれ以上に全面安」という状態だから。
直近1ヶ月でEUR/USDは+2.5%、AUD/USDは+1.8%、USD/CHFは-1.8%相当のフラン高、USD/CNYも元高方向 — ドルは主要通貨に対して軒並み売られている(ドル指数DXYは1ヶ月で-2.39%)。にもかかわらずUSD/JPYは158円台、EUR/JPY・AUD/JPYは52週高値圏を維持している。「ドルに対して弱いはずの通貨」に対してさえ円はもっと弱い、という非対称が起きている。詳しい計算は3節で展開する。
原因は新NISA経由の月次1兆円規模・73ヶ月連続の海外資金流出(機械的な円売り)、BOJ利上げ後もなお圧倒的に残る金利差、7月末の日米協調介入の効果が2週間足らずで半分以上剥落した学習効果、2026年最低水準のVIXが後押しする円キャリートレードの4つが複合している。
4系統でリサーチした一次情報を、通貨への含意で整理した。日付・数値は本文中に明記、出典は末尾にまとめた。
対象週は「米重要指標」「NVIDIA決算」「ジャクソンホール(新議長初講演)」がわずか3日間に集中する、通常より明確にイベント密度が高い週。多くのペアで前回よりレンジを広めに取っている主因。
| 日付 | イベント | 重要度 |
|---|---|---|
| 08/24 月 | 目立った経済指標なし。週末の豪CPI・RBA材料を消化しつつ様子見。 | 低 |
| 08/25 火 | 独Ifo企業景況感(8月分)。独ZEWの大幅改善を受け上振れ確認となればEUR支援材料。 | 中 |
| 08/26 水 | 米GDP改定値(Q2)・米7月分コアPCE・NVIDIA決算(引け後) — マクロ指標とAI株の最重要イベントが同日集中。 | 最重要 |
| 08/27 木 | ジャクソンホール経済シンポジウム開幕。 | 中 |
| 08/28 金 | ウォーシュ新FRB議長、就任後初の基調講演 — 週内最大のイベント。 | 最重要 |
EUR/JPY・AUD/JPYは、それぞれ「EUR/USD × USD/JPY」「AUD/USD × USD/JPY」という掛け算で決まる。この恒等式に沿って、どちらの要因が効いているかを分解する。
| 通貨 | 直近1ヶ月の対ドル方向 |
|---|---|
| EUR/USD | ▲ +2.50% |
| AUD/USD | ▲ +1.79% |
| GBP/USD | ▲ 上昇基調 |
| USD/CHF | ▼ -1.83%相当(フラン高) |
| USD/CNY | ▼ 元高基調(年初来+6.3%) |
| USD/CAD | ▼ 下落基調(加ドル高) |
| DXY(ドル指数) | ▼ -2.39%/月 |
実勢値としてEUR/JPY 186円台・AUD/JPY 111〜112円台がそれぞれ複数ソースで報告されており、上の掛け算値とは0.6〜1.8%ほどの差がある。情報源ごとの取得タイミング・bid/mid/ask基準の違いによるクロス系のノイズで、実際の裁定機会ではない。予測レンジ(4節)はこの掛け算ロジックと実勢スポットの両方を包含する形で設定した。
中心値は直近の実勢スポットを起点に、材料と週内イベントを反映して設定。確定的な予言ではなく、現時点の材料に基づくシナリオ分析。
今回は一から再構築であり前回予測の修正ではないが、重なる3ペアについては数字がどう・なぜ変わったかを明示する。前回は2026-08-17時点、1週間予測(過去ログで見る →)。
| ペア | 前回中心値 | 今回中心値 | 前回レンジ | 今回レンジ | 変更理由 |
|---|---|---|---|---|---|
| USD/JPY | 159.5円 | 158.5円 | 157.5〜161.0円 | 155.5〜161.5円 | 介入効果が8/11時点で早くも半値以上剥落しスポットが158〜159円で高止まり。BOJ9月利上げ織り込みが約8割まで上昇し円の支持材料が増加。レンジ拡大はNVIDIA決算・ウォーシュ初講演が同週に集中するイベント密度のため。 |
| EUR/JPY | 184円 | 186.0円 | 181〜187円 | 183.0〜190.0円 | 独ZEW大幅改善によるEUR/USD自体の上昇(8週間ぶり高値圏)。USD/JPY要因は下げ方向だが、EUR/USD要因がそれを上回ってクロスを押し上げた(3節の掛け算通り)。 |
| AUD/JPY | 112.5円 | 111.5円 | 109〜115円 | 107.0〜116.5円 | RBA様子見継続・豪Q2 CPI下振れで追加利上げ観測が後退しやや軟化。レンジ拡大は3ペア中もっともリスクセンチメント感応度が高いため。 |
Takomachi FXエクスペリエンス基盤から生成した今週(8/31週〜)の5ペア予測。
今週の実際のレート推移が確認でき次第、この表を更新します。
| ペア | 予測レンジ | 週末予測値 | 実績値 | 差分 | 判定 |
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